約 615,637 件
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/17.html
1スレ目:60-75 前日談 小牧が堂上の部屋で飲んでいたときのことだった。 「でね、笠原さんとどうなってるの?」 「どうって、なんだ」 「笠原さんに対して欲情する?」 「はぁぁぁぁぁ」 「いつまで子供扱いしてるのかってことだよ、堂上」 「つい最近まで王子様とか言っていた子供に手なんて出せるか」 「うーん、確かに笠原さんは手を出しにくいタイプではあるよね。なんていうか純粋培養乙女チック?」 「それにお前だってそうだろ」 「当たり前だろ。高校生に手出しはできません。でもね、堂上、笠原さんは一応大人だよ。 きちんと大人の女性として扱ってあげないと失礼だと思うけど」 「あれをどう扱えというんだ」 「あ、メールだ。これで失礼するよ。ま、よく考えてみたら。おやすみ」 「堂上教官、温泉旅行いきませんか?」 笠原にそう提案されたのは小牧と飲んだ日から数日後のことだった。 「あの、残念賞の商品がほしかったのに大当たりで温泉旅行があたって、柴崎を誘ったんですけど都合があわなくて、 その、ええと、教官、温泉嫌いですか?」 たどたどしく目を合わせないまま説明しているさまからは、かなり無理をして誘っていることが伺えた。 同じ班であるメリットのひとつは、休日をあわせやすいことだ。 「嫌いじゃない、どちらかというと好きだな」 かくして温泉旅行に行くことになった。 訪れた温泉はこじんまりとした和風旅館だった。 どことなくきまずいギクシャクした雰囲気のまますごしていたが、 食事が部屋に運ばれてくると笠原は、おいしそう、といって機嫌がよくなった。 ―色気より、食い気か… 流れる空気がよくなったことには変わりはないので、堂上は黙っておいた。 食事の後、露天風呂付大浴場にそれぞれ向い、堂上が先に部屋に戻ってくると、 部屋には布団が2枚並べて敷かれていた。軽く動揺した。 とりあえず窓際の簡易な応接セットにすわり、ビールを飲むことにした。 同じころ旅館の廊下で笠原郁は友人に携帯電話で泣きついていた。 「柴崎ー、どうしたらいいのー」 「どうしたらって、食べられるつもりでいったんだから、おとなしく食べられてきなさい」 そういって電話は速攻切られてしまった。 ―どうしよう、とりあえず部屋に戻らなきゃだめだよね 遅れて戻ってきた笠原は、並んだ布団を見たとたんカチンと音がしそうなくらい固まってしまった。 ―どうしたものかな かけるべき言葉がみつからない。とりあえず、思ったことをそのまま口にだした。 「浴衣着られたんだな」 「浴衣くらい自分で着られます。母に教わりましたから」 緊張が少し解けたのか、荷物を片付けて向かい側に座った。 「教官、ビールっておいしいですか?」 「ああ、笠原は苦手だったな」 「うーん、だって苦いじゃないですか。あ今、子供っぽいって笑いましたね」 「いや、そうじゃない。そうやってむきになるところは子供っぽいと思うがな」 「いつもそうやって子供扱いする」 そういって、むうっと頬をふくらませ横をむいた笠原に聞いてみる。 「子供扱いしなくていいのか」 「…え」 「子供扱いしなくていいんだな、郁」 「…はい」 ―名前を呼ぶなんて、反則… 教官に腕をとられ腰に腕を回され、ソファから立たされた。 と同時に口付けられた。いきなり舌を差し込まれ、絡めとられる。 力が抜けてしまう、そのタイミングで足払いをされて布団のうえに落とされる。 教官の肩越しに天井が見えた。 「明かり消してくださいっ。ものすごく恥ずかしいです。」 教官は、困ったような仕方ないなという表情をして、明かりを消してくれた。 明かりを消した室内を見ると、笠原は布団の上で上体を起こし、浴衣の前を両手でかき合わせていた。 そのくせ、浴衣のすそが乱れているのには無頓着で、すらりと伸びた両足を見せている。 固く閉じられた太腿が、窓から入る青白い光に照らされて艶かしい。 堂上は布団の横に移り、笠原の額からまぶた、頬、鼻、耳、首筋、順に唇を落としていく。 緊張がとけないのか目は堅く閉じられ、両腕は胸で合わされたままだ。 教官に体の上から順にキスをされていった。 鎖骨にキスをされた後、気配が消えた。 「教官?」 目を開けると堂上は足元にいて、郁の足を軽く持ち上げて、郁をみていた。 ああ、痴漢事件のときもこんなことがあったなぁ。 あの時も真っ先に教官が助けに来てくれて、心配してくれたんだよね。 まぁ、叱られたけど・・・。 などと、一瞬思い出にひたっていると足の甲から順に上へとキスをされていた。 堂上の頭は既に膝上まで来ている。 「きょっ、きょーかん、足フェチだったんですかっ?」 思いもよらない突っ込みに堂上は軽くめまいがした。 「あほか、そんなに固くガードされていたら何もできないだろうが」 「へ?」 「上、というか胸元だっ」 本人は気づいていなかったようで、自分の胸元を見下ろした。 「え、あ、す、すいません」 笠原はあわてて両手を上に上げた。そんな仕草がかわいらしく思える自分に苦笑いがこぼれる。 「脱がせていいか」 と聞くと、真っ赤になりながらこくりとうなずいた。 帯を解き、肩からするりと浴衣を落とす。 おそらく白であろう下着をはずし、覆いかぶさりながらゆっくりと体を横たえた。 笠原の乳房は房というにはいささか足りない気もするが、 日ごろの訓練の賜物か仰向けになっても形は崩れないままだった。 そっと身体に手をそわせると、無駄な脂肪のないその身体は腰でくびれた曲線を描き、 筋肉が薄いのだろうか、そのくせやわらかい。 「そんなあんまり見ないでください。恥ずかしいです。っていうか、何であたしだけ脱がされているんですか?」 「はぁ?なにをいっとるんだ」 「だって、ずるいじゃないですか。教官も脱いでください」 ―これが大人の女の言う台詞か? 堂上は手で目を覆い、一瞬上を向いたあと無言で浴衣を脱いだ。 その様子を郁は黙ってみていた。 ―男の人の体ってこんなにキレイなんだ… 必要な筋肉が、必要なところに必要な分だけついている。 戦うための、守るための体なんだなぁ、と思わず見惚れてしまった。 「これでいいか」 堂上はそういうと、郁を押し倒し、唇を深く重ねた。 これまで教えられた「大人のキス」よりもずっと激しくて、何かを吸い取られてしまうようなキスだった。 教わったように舌を絡めたりしてみるが応えきれていない気がする。 ―どうしたらいいのよー ―なんか頭がぼーっとするぅ… 堂上の唇は郁の唇から場所を移し、耳や首筋、鎖骨を攻め、 片手は胸を包みこんでゆっくりと刺激を与えた。 そして緊張が解けてきたことを確認すると、舌で乳首をなめた。 「ぁ、んんっ」 自分で聞いたこともないような甘い声が出てしまい、郁は思わず口を手でふさいでしまう。 「がまんしなくていいぞ」 「あんな声を教官に聞かれるのは嫌です」 ―だって、はしたなくて恥ずかしいじゃないっ 「誰になら聞かせるつもりだ?」 「え、どういう意味ですか」 郁は両手を堂上に押さえつけられた。 ―え、え、なんか怒ってる?なんで? そのまま耳元でゆっくりとささやかれた。 「そんな声を他の誰にも聞かせるな」 心臓をわしづかみされて、口から引っ張り出されそうなくらい胸がどきどきしてうまく声がでない。 「それって命令ですか?」 自分を押さえつけて見下ろす教官は至極まじめな顔をして答えた。 「いや、お願い、だ」 耳まで赤くなって自分を見上げる部下は、目をうるませて小さく「はい」と返事をしてくれた。 それがたまらなく愛しい。 ―完敗だ やっと自覚ができただけで、もっと前からこの素直でめんどくさくてかわいい部下に負けていたのかもしれない。 拘束していた手を離し、頭をなでるとうれしそうに見つめ返してくれる。 「いい子だ」 もう一度、そのささやかな胸に口づけた。 頂を口内に含み、ゆっくりと転がすようになめる。 張りのある胸を両手で愛撫する。 その一つ一つの行為に呼吸を乱し、とろけた声を上げる笠原に煽られる。 胸への刺激を続けたまま、片手を足へと伸ばす。 なぞるように撫で上げ、まだ脱がせていない下着へと指を這わせると布越しにもぬるりとした感触がわかった。 探るように指を往復させると、笠原の体が震えるのがわかった。 下着の横から指を侵入させ、直接触れようとしたときだった。 いきなり上体を起こし堂上の手を抑えた。 「やっ、そこはだめ、いや」 「笠原」 「だってだって、はずかしいですっ」 「…郁」 「はい」 「本当にいやなら、やめよう」 「ちがいますっ。そうじゃなくて…」 おそらく初めての行為に不安なのだろう。それなのに、泣き出しそうな顔でまっすぐに目を合わせてくる。 その雄弁な瞳に自制心が吹き飛びそうになる。 「大丈夫だ」 そう言って頷くと、するりと首に腕がまわされすがりつくように抱きつかれた。 「はい、教官」 笠原は小さくそう答えた。 ―あああああ、あほかっ、俺が苦労していろいろ抑えているもんを吹っ飛ばすようなことをするなっ 自分自身を抑制するためにも言った言葉が逆効果になるとは思ってもみなかった。 「二度目はないからな」 その堂上の言葉の意味するところを理解したのか、笠原はこくりとうなずいた。 とりあえずそのままの体勢で事をすすめることにした。 「笠原、こっちの膝を立てられるか」 「はい」 そのまま腰を浮かさせて脱がせていなかった一枚を抜き取る。 秘裂に指を沿わせると濡れた感触があるので、そのまま上下させてみた。 「んんっ」 指の動きにあわせて、甘い声が吐息ともに耳元にかけられる。 首に巻きつく腕が次第にきつくなっていく。 「さっきよりも濡れているのがわかるか」 「…は、い」 「いやらしいな」 そう耳元でささやいてみると意外な反応が返ってきた。 「もぅ…なんっで…そんなこと…いうんですか」 荒い呼吸の合間に切れ切れにそう言うのでさえ精一杯で、憎まれ口をたたく余裕もなくなってきたらしい。 ―そろそろ大丈夫だろうか 笠原の体に指をゆっくりと沈めていった。 濡れてはいたがきつく締めつけられて、指は動かしにくかった。 「何が自分の体に入ってるかわかるか?」 「ゆび、かな」 ますます力が入らなくなっていく笠原の体を空いている手で支える。 「これから動かす。何も考えるな」 そういって、指をゆっくりと抜き差しし始めた。 最初は違和感こそあったのだろうが、次第に指は滑らかに動かせるようになった。 単調だった動きの途中に中を探るような動きを加えると、びくりと笠原の背筋がこわばった。 湿った水音は次第に大きくなり、控えめな嬌声が耳元で聞こえる。 「あ…やぁっ……」 「声、我慢するな」 「んんっ、でも…やっぱり…はっ」 「もっと聞かせろ、といっているんだ」 「…ぅ、教官のえっち…」 「…ご期待にそえるようにしよう。指、増やすぞ」 「えぇっ、って。やぁ…ぁ…んっ」 二本の指をいきなり深く差し込むと、体を震わせて首に巻かれた腕の力が抜け、 細身の肢体を預けてきた。 柔らかな体を横たえると、笠原の表情が見えてしまった。 目がとろりと潤み、不安そうに眉を軽く寄せて視点が定まっていない。 頬が上気し、少し開かれた唇は濡れている。劣情をそそられる。 堂上の視線に気づいたのか、笠原は顔を伏せてしまった。 「見ないでください。恥ずかしい…」 「わかった」 そういって堂上は笠原の体をうつぶせにさせ腰を持ち上げた。 そんなあられもない格好をさせられて、抗議の声があがった。 「な、な、なんて格好させるんですかーーー」 「顔を見られたくないんだろう。これなら見えないんだが」 「そうかもしれませんけどっ」 うなじから続く白い背中、小さく引き締まりくっと持ち上がった尻、すらりとした張りのある太腿。 後姿がひどく妖艶で扇情的だった。 「きれいだな」 「………うっ、初めてです。男の人にそんなこと言われたの」 ―くそっ、かわいい…と思うなんて… うなじに唇を落とし、体の中心に沿って下へ舌を這わせると、まだ濡れている秘所へと導かれた。 「…あ…あ…だめです。そんなことしちゃ…」 舌を差し込むと、生温い粘膜に包まれる。わざと音立てるように吸ってみる。 「いやぁぁ」 一際大きな声を上げて、背を弓なりにそらす。 「もう、やっ、だめで…す。堂上教官。な…んかへんです…」 体を仰向けに直してやり、顔を覆っている交差させた腕をほどいた。 「いいか」 「…はい」 ゆっくりと腰を沈めていく。 「つらかったら、我慢せずに言え」 「んっ…は…はぁっい」 痛いのだろう。下から肩に回された手はきりきりと爪を立ててしがみついてくる。 自身を全て収めたあと、笠原を気遣いしばらくは動かずに抱きしめていた。 そうしているうちに体の中に侵入してきた異物に少し慣れてきたのだろうか、話しかけてきた。 「教官?」 「なんだ」 「堂上教官はやっぱりあたしの王子様です」 「いきなり何を言うんだ貴様はっ!」 「あたしは堂上教官に助けられて、憧れて、追いかけて図書隊員になりました。 今、教官とこうしていることができて、すっごい幸せです」 ―ここでそうくるか…、もうだからこいつには…油断ができない 「……俺もだ」 「はいっ」 「笠原、すまん」 「え、なにがですか」 ―もう、堪らない、抑えきれない 「んーーーっ!やあぁぁ…あっ…あっ…ぁん…」 足首を掴み、大きく脚を開かせると、 堰を切ってあふれた情欲をその勢いのままに腰をぶつける。 何度も何度も。何度も。強く。 悲鳴のようにも聞こえる笠原の声は興奮を煽るだけだ。 笠原の何もかもを受けとめたい。 自分の全てを笠原に教えたい。知識も、思いも、身体も、欲望も、全て。 「かさはら」 「ん…あっ、名前…呼んで…くださいっ」 「郁…」 「んんっ、ぁ、教官、もう…だめぇ…いやぁあんっ…」 「笠原っ」 次の日の朝。 自分の腕の中で目を覚ました部下でもある恋人にひとつお願いをした。 「笠原、業務中以外は教官と呼ぶのをやめてくれないか。いたたまれなくなる」 「じゃあ、なんて呼びますか。堂上?」 「呼び捨てはやめろ。って、わかっていっただろう」 「はい、篤さん」 ―不意打ちなんて反則だろう 顔が火照るのを見られたくなくて、思いっきり抱きしめた。 ――後日談 「小牧教官、キラーパスありがとうございます」 「いえいえ、友人とかわいい部下のためでもありますし」 「ほんと、世話がやけますよねぇ」 「見ていておもしろいけどね」 「それは同意します」 「なにかあったのか、柴崎」 「いいのよ、手塚。あんたは知らないほうがきっと幸せだと思うわよ」 「あー、たしかにね。手塚が知っちゃった場合、対応に苦労しそうだね」 「どういうことですか?」 「そのうちわかるわよ。二人とも素直だからね」
https://w.atwiki.jp/kira-show/pages/179.html
Radio_TOP→♪ animate_TOP→♪ パーソナリティ 前野智昭,鈴木達央 【Webラジオ『関東図書基地 広報課』男子寮】 タイトル 放送日 備考 第 01 回 『玄田で“どぅーん!” イン・ジャン・ホイッ!』 2008-04-17放送分 第 02 回 『堂上教官は“よろぴく~”言わないだろう(笑』 2008-05-01放送分 第 03 回 『「教官戦争勃発!」のコーナーをもう一回おんなじ問題でやり直そう(笑』 2008-05-15放送分 【ゲスト】石田 彰 第 04 回 『いかがですか、お味は?』『「この程度か?(堂上で)」ッゲッホ、ゴッホッ!!』 2008-05-29放送分 第 05 回 『色々ここでアウトにするなよ!セリフの所で検閲入ったの初めてだぞ?』 2008-06-12放送分 第 06 回 『俺“一球入魂”派だからさ!!』 2008-06-26放送分 第 07 回 『え、何で泣きそうなん?』 2008-07-10放送分
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/21.html
1スレ目99 おねがい 「つまり、あんたはマグロなのね」 「だってなにをどうしていいかわからないし、そんな余裕ないし…ってなにを言わせるのよ!!」 ―いろんな意味で甘いのね…あの人は 「あのね、笠原。図書館にもいろいろな本があるでしょ」 「…柴崎、レファレンスしてくれる?」 「絶対に嫌。ありえない。自分で探しなさい」 「えー、柴崎が頼りなのにぃ」 「じゃ、いっそのこと堂上教官にレファレンスしてもらえば?うん、それが一番早いんじゃなーい?」 「いやっ、ぜぇったいに嫌!!」 「いいじゃない、借りた後のアフターケアもばっちりよ?」 「第一なんて言えってのよ!!」 「『教官にご奉仕したいんです。参考になる本を選んでいただけませんとか?』、とか?」 「…柴崎、おっさんくさい…」 「えー、そんなことないわよ。イチコロよね、手塚?」 「俺に振るな。ていうか、酒の席とはいえ俺の前でそんな身も蓋もない話を繰り広げないでくれ…」
https://w.atwiki.jp/llss/pages/480.html
元スレURL 穂乃果「あんっ、海未ちゃんお仕事頑張ってねぇん!」 概要 ネトラレ好き?な海未ちゃんの短編 タグ ^園田海未 ^ふたなり ^短編 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/37.html
1スレ目 226-230 酒は飲んでも、飲まれるな。 8月も、終わりに近づいた頃であった。 「一般人に夏休みがあるのに、俺に夏休みがないのはおかしい!」 夏休みがないのは俺らも同じです!という堂上の意見もあっけらかんと無視し、 玄田の宣言は図書特殊部隊の事務室に高らかに響いた。 「今日は飲むぞー!6時にミーティング室に集合っ!!」 その宣言に、堂上が額を押さえため息をついた。 ミーティング室、午後6時。 時間通りきっちりと集まっている図書特殊部隊は、さすがというべきか、律儀というべきか。 そして、図書特殊部隊でない柴崎が当たり前のように、その場にいるのもやはりというべきだろうか。 「酒盛り場がミーティング室っていうのも玄田隊長らしいですよね。」 隣を見れば、郁がチューハイををちびちび飲んでいた。 まだ半分も飲んでいないというのに、すでにうっすらと上気した頬は素直に愛らしい。 つい思ってしまったことに、思わず小さく舌打ちをすると堂上は、郁から目を逸らすように、すでに出来上がり、ドンチャン騒ぎが始まっている玄田たちのほうを見つめた。 「明日も通常業務があるんだから、あまりハメを外して飲みすぎるなよ。」 「あ、はい!…堂上教官は飲まないんですか?お酒。」 「…俺が飲んだら誰があの人を止めるんだ?」 あの人とは玄田を指しており、言わずとも玄田の今の状態でわかってしまうこの後の状況に、郁は堂上に対して同情を覚えた。 しかし、堂上篤の災難は玄田だけではなかった。 ドンチャン騒ぎも絶頂を迎えた頃。 「ぁ、玄田隊長ー。そこにあるお水取って下さい。」 すでにできあがった玄田は、隊長を使うんじゃねェー、年上をもっと敬えー、などの文句を言いながらも、 コップに水を注いで郁に渡す。 「ありがとうございます。」 玄田から受け取った水に口をつけた瞬間、堂上が止めるがすでに遅く、郁は3口ほど飲んだあとであった。 「ばかっ。お前それ日本酒・・・」 郁はストンッとコップを机の上に置いて下を向いたまま動かない。 「笠原?」 不審に思った堂上が、下から顔を覗く。 その距離まさに30cm弱。 「笠原」 もう一度名前を呼んだ瞬間、郁のドアップが堂上の顔の前にある。 何かが唇をかすめた。 「・・・・・・・・」 キスされたのだと理解できるまでに十数秒。 「なっ・・・・・・・・・・」 あまりの衝撃に言葉がでない堂上の隣で、絶叫が上がった。 何事かと思えば、郁が手塚に迫っている。 押しのけようと思えば、女である郁に手塚が負けるはずがないのだが、玄田にがっちりと押さえ込まれている手塚は、 必死の形相で、郁を引き剥がそうとしていた。 「やめろぉぉぉぉぉ!!ていうか、何してくれてんですかっ!玄田隊長!!!」 手塚の絶叫も知らんふりで、玄田は今の状況を楽しんでいる。 その横では、笑い上戸の小牧が腹を抱えて笑っている。 いかにも楽しそうだ。 そして、必死も戦闘をしている手塚と郁の横では、柴崎がカメラを構えていた。 「さーて、この写真はいくらで熟れるかしらねー。」 ウフフと笑いながらシャッターを切る柴崎は、恐ろしいとしか言いようがない。 当の本人は、手塚、チューーーー。などとわけのわからない発言をしている。 後、数10cm程のところで、いくの頭部に堂上の拳骨が落ちた。 そのまま意識を失った郁はパタリと崩れ落ちた。 「柴崎、カメラ。」 「はぁいっ」 柴崎からカメラを受け取った堂上は、気を失った郁をお姫様ダッコして立ち上がる。 「明日も普通に通常業務があるんだ。これで解散にしろ。いいですね、玄田隊長。」 堂上はそれだけ言うと、ミーティング室を後にした。 「あれじゃぁ、正真正銘の」 小牧の発言を柴崎が引き受ける。 「王子様ですよねぇ。」 近くでは、玄田がニヤついていたが、手塚には何がなんだかさっぱりであった。 さすがに女子寮に入るわけにはいかないので、とりあえず医務室のベッドに郁を寝かせる。 ベッドで眠る郁を見つめて、堂上は盛大にため息をついた。 「たく、こいつは・・・」 などと言いながら、郁の頭をなでる。 「・・・俺はお前を他の誰にもやる気はねぇんだよ」 堂上は、郁の額にキスを落とすとそのまま医務室から出て行った。 ───ちょっと、今のセリフ何!?どうゆうことっ!!? ―――し、し、しかも、デデデデコチューーーーーーーーーーーーー!!!? ―――ていうか、あたし何しでかしたのーーーーーーーーーーーーー!!!! 実は途中から意識のあった郁だが、起きるタイミングを見計らっていたらこの結果に辿り着いてしまったのであった。 「どどどどーしよーーー!!明日からどんな顔して堂上教官に会えばいいの!!?」 考えようとしても、気持ちがまとまらない上に気持ち悪い。 そして、頭痛が酷かった。 いくは考えるのを諦めて眠ることにした。 翌日、堂上宛に届いた手紙の最後の1文に堂上はがくりと肩を落とした。 そういえば、この間言い忘れていましたが、娘は大変酒に弱い子です。 1度チューハイ3杯でスゴイことに…。 上司の堂上さんにこのようなお願いをするのは、大変ご迷惑かもしれませんが、 あまり飲み過ぎないように注意していただけたら幸いです。 笠原 克宏 それは紛れもなく、郁の父からの手紙であった。 スゴイこととは、つまりキス魔かッ!!!!! 「そうゆうことは先に言ってくれ・・・」 克宏の忠告も空しく、全ては後の祭りであった。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/60.html
1スレ目 416-419,424-429,433-440その2 そして、会食当日。 やはり張り切って早く勤務を終えてきた柴崎に手伝ってもらい、すったもんだの上で郁の身支度が完成した。 「後は、外泊届けよね」 「だーかーらー、堂上教官も何にも言わなかったし」 結局、柴崎の(郁も内心)期待していた展開にはなっていない。 「まあ、いいわ・・・。頑張っておいで」 以外にあっさりと柴崎は追求の手をゆるめた。 ほんの少し寂しげに見えたのは郁の気のせいだったのだろうか。 今回はいつかのようにバタバタ走ることなく、ゆっくりと駅まで歩く。 いかにもな恰好で寮を一緒に出るのもためらわれたため、堂上は先に駅で待っているはずだ。 階段を上がる。 券売機の前で手持ち無沙汰に待っている堂上の姿が目に入る。 待ち合わせ時間には少し早い。 張り切ってるのはお互いさまかも。 郁の顔に笑顔がこぼれた。 やってくる郁の姿に気づいて堂上が顔をあげる。 そして目を思い切り見開いて、口もポカンと開けたまま固まった。 柴崎プロデュースの郁のスタイルは、マスタードカラーのサテン地ワンピースにチョーカー、黒のコートを合わせて足元はちょいヒールのパンプスだ。 何より柴崎が気合いを入れたのはメークとヘアメークだった。 訓練でヘルメットをかぶることが多いため、ペタンコになっても構わないのが普段の郁のスタイルだ。 それを柴崎は身支度を始めるなりホットカーラーを郁の頭のあちこちに巻きつけ、着替え、メークの後にプロ顔負けの早業でヘアメークを完成させた。 ふわりと揺れるヘアスタイル、メークも薄さを心がけながらもポイントをしっかり押さえてある。 加えて、慣れないパンプスでの歩き方まで指導された郁は、身長と元々の姿勢の良さもあってモデル並の風格を備えていた。 「堂上教官?」 郁が歩み寄ってきてもしばらく堂上は固まったままだった。 「女ってのは、恐ろしいな」 「っていうか、あたしは柴崎が怖いです。柴崎いなきゃあたしもここまで化けられないし」 すれ違った何人もが郁に見とれるという、生まれて初めての体験をさせてもらった。 「いや、化けたとかそんなんじゃなくて…似合ってるぞ」 耳を赤らめて堂上は口ごもる。 そのまま誤魔化すように券売機に向かった。 身体中の血液が頭に登ったごとく真っ赤になった郁が動けたのは、切符を買ってきた堂上に2、3回揺すられてからだった。 当麻との約束の時間よりも早めにホテルに到着した二人は、ロビーで時間を潰す。 「ちょっと待ってろ」 落ち着きなくキョロキョロしてから堂上は郁を放っておいて姿を消した。 当麻先生にお会いするのも久しぶりだから、堂上教官も緊張してるんだ。 ほどなくして堂上は戻ってきたが、やはり落ち着きがなかった。 しばらくして当麻夫婦がやって来た。 「今日はお招きいただいてありがとうございます」 挨拶をした堂上に合わせて郁も頭を下げる。 「いえ、こちらも大したお礼もできなくて・・・」 当麻の語尾は、堂上の隣の郁に目線をむけたとたんに曖昧になって消えた。 図書隊で警護の任務についていた時の郁の姿しか知らないから、当麻の今日の反応は当然と言うべきか。 立ち直った当麻の案内でレストランに向かい、席についてから改めて挨拶・面識がなかった当麻夫人への自己紹介などをすます。 当麻夫人は 「特殊部隊の方がこんなに可愛らしいお嬢さんだったなんて」 と終始感激口調だった。 食事が始まってしばらくは、当麻の領事館駆け込みまでの顛末が語られた。 特に当麻夫人が熱心に聞きたがったのは、当麻の女装のくだりだった 「この人、そのことだけはちゃんと話してくれないのよ」 そうは言われても・・・と郁は当麻の顔色を伺いながら、しどろもどろに説明する。 やがて話題は、当麻の新作の執筆状況や、図書隊の日々の任務に移っていった。 図書隊を志した理由を聞かれた郁が、王子様話を披露しそうになり、慌てた堂上に静止される場面もあったりで、食事は賑やかに進み、気付けばコーヒーが出てきていた。 当麻が会計を済ませるのをレストランの外で待っていると、夫人がハンドバッグの中から何やらチケットらしきものを取り出した。 「これ、ここを予約した時にいただいたの。お二人でどうぞ」 受け取ったのは同じホテルのスカイラウンジのサービスチケットだった。 当麻夫婦は、明日から旅行に出るため今日はこれで失礼させていただきます、と、エレベーターホールで二人とは違うエレベーターに向う。 ドアが閉まる直前に夫人は、 「お幸せに」 と穏やかな笑みで一言残して消えていった。 「・・・どういう、意味だ?」 「そりゃ、そういう意味なんじゃ・・・」 二人は顔を見合わせた。どちらともなく笑みがこぼれる。 「せっかくだから、行っとくか」 「はい!」 夫人の厚意をありがたく頂戴して、見事な夜景を眺めながら、二人はゆっくりとカクテルを傾けた。 そろそろ、ここ出ないと、門限間に合わないよね。 チラッと時計を見た郁を堂上がいぶかしげに見つめた。 「どうした?」 「えっ、あの、時間大丈夫かなって」 「門限のか」 「うん・・・」 せっかく二人でこんなに素敵なシチュエーションにいられるのに、門限なんかが気になってソワソワしなければならないことがひたすら悔やまれて、郁は俯いた。 「あのな、笠は、いや・・・郁」 え?あれ?、名前で呼んでくれる時って・・・。 驚いた郁が顔を上げると、堂上は喉の奥からしぼり出すように言った。 「部屋、とってある」 「・・・?」 何のことを言っているのかわからず郁はポカンとした。 すると堂上は一瞬あきれたように天を見上げ、再度郁に向き合う。 「泊まっていかないかって言ってるんだ。これ以上言わせるな!」 えええーっ!あまりの驚きように声も出なかったのは、場所を考えれば、ある意味幸運だったのかもしれない。 「いいか?」 念を押すように問われて、郁はほとんど無意識にコクンとうなずいた。 その拍子に思考回路が再接続した。 ついに、ついに泊まっていく・・・って、そういうことだよね。 あたし達恋人同士なんだし、そういうことになるのはごく自然なことで・・・ あああっ!外泊届けっ! 散々柴崎にそそのかされたのに、結局出していなかった。 仕方ない、郁はバッグを握りしめて立ち上げる。 「?」 「ちょっと」 郁は、慌てて電話ができるスペースに駆け込み柴崎にかける。 お風呂とかに行ってたらどうしよう・・・。 心配したのも一瞬で、コール1回で柴崎が出た。 「柴崎ィ。一生のお願い!」 「いいけど、高いわよ」 「あの、それが」 相手が柴崎とはいえ、堂上と泊まることになったなど、語るのも恥ずかしい。 「外泊届でしょ、あたしも今日出したから、ついでにあんたのも出しといたわよ」 「は?なんで?今日のことあたしも知らされてなかったのに」 まさか郁を差し置いて堂上が柴崎に今日のことを頼んでおいたとは、考えたくなかった。 「頼まれたわけじゃないわよ。あたしからの勝手なはなむけなんだから」 「でも、無駄になったかもしれないのに」 「無駄にして帰ってきたりしたら、あたしにも思うところあったわよ」 妙な迫力を感じて、その「思うところ」が何かを、あえて聞かないことにした。 「心配してくれて、ありがと」 「ん、頑張ってきな」 さりげない、だが暖かいエールを送って電話が切られた。 やだ、泣きそうかも。 熱くなった胸がおさまるまで、しばらく郁は電話を抱えていた。 ラウンジの入り口まで戻ると、堂上が郁のコートを抱えて待っていた。 エレベーターに乗り2階下の客室に向かう。 「もう、いいのか?」 「うん…なんか、柴崎があたしの外泊届出しておいてくれたみたいで」 堂上の顔が真っ青になった。 「柴崎が?まさかあいつ、こんなことの情報までつかんでいたのか?」 「つかんでたんじゃなくて、なんか、気きかしてくれたんです」 「…悪かったな、先に言っておかなくて。でも言っておいたらおいたで、お前それから正気を保てないと思ったんだ」 いつぞや柴崎に言われたセリフそのまんまだった。 郁はムゥと口を尖らせた。 「みんなして、子供扱いするんだから」 ブツブツしていると、ポンと堂上の手が頭の上に乗った。 「そう、腐るな。」 それが子供扱いなのに、と思いながら、頭に乗せられた手のぬくもりはいつもどおり心地よかった。
https://w.atwiki.jp/ohno2827/pages/4.html
堂郁 「・・篤さん!やりましたっ!」 郁が特殊図書部隊の会議室を 勢いよくあけた 中には玄田と小牧しかいなかった 小牧は郁をみると カップを片手におおきく吹いた 「堂上は外回りだよ。あ、そうか 笠原さん・・じゃなくて郁ちゃんも進級か」 小牧はいまだに郁の旧姓で呼ぶことがしばしば。 それくらい違和感があるのだろうか。 郁は内心不安になる。 「小牧教官っ!笑わないで下さいっ」 郁の噛み付きをさえぎって 扉が開いた。 水でビショビショの 堂上と手塚だった。 「篤さんっ!なんでそんなに!?」 「良化委員会の所有する地域で委員が水撒きしてたんだが 見事に水が襲い掛かってきたんだ。気にするな。」 「堂上教官・・・何してたんですか。」 「・・・・・・・・今日は結婚記念日だろう!! それしき忘れるな!それ程のことだったのかっ」 「忘れてませんっ!篤さんひどい!」 「はいはい。堂上。はやくわたしな」 小牧が仲裁に入る。 「わかってる。」 堂上はポケットから 小さなビンを取り出した。 キレイなピンクの包装紙でラッピングしてある。 「ほら。」 堂上に促されて 郁はそれをあけた。 「カモミール?」 郁が一生懸命英語のラベルを読んだ。 堂上は仏頂面で そっぽを向いた。 「去年もらっただろう。 お前がくれたってことはお前は持ってるのかな・・と 」 堂上の顔が赤らめる。 「・・・おそろいだ」 堂上はゴニョゴニョつぶやいて 部屋を出て行った。 「堂上ね。悩んでたんだよ。 あいつが何を欲しがってるかわからんって」 小牧が苦笑する。 「それで。これを?」 カモミール・・から口を開かなかった郁が 口をひらいた。 小牧教官には言おう。 「アタシもじつは・・・」 郁がポケットから出したのは 堂上が買った店の色違いの水色のラッピングだった。 「かぶっちゃった・」 郁はしばらく堂上の仏頂面を拝まされる羽目になった。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/85.html
1スレ目 760-762 アニメ版反省会 関東図書基地・図書特殊部隊事務室集まっているいつもの面々を前に、玄田が口を開いた 「アニメ版が無事に終了したということだが…いかんせん平均視聴率が3%ちょっとしか無かった。これは由々しき事態である!そこでだ、今日はアニメ版の低視聴率の原因究明および対策を話し合う」 「よろしいでしょうか?」 手を上げたのは柴崎だ 「やはり高視聴率の比較対照を参考にするのがいいのではないでしょうか?そこで同じノイタミナ枠で平均視聴率4.6%の記録を持つ『もやしもん』を参考にしたいと思います」 「いいんじゃない?背の低い男と背の高いヒロインっていうウチとの共通点もあるしさ」 小牧の余計な一言に 「背の低いってのは余計だ」 と不機嫌そうな堂上 「でも柴崎、参考っていってもなにするの?」 とこれは笠原 「そりゃ決まってるでしょ?視聴率を稼ぐ基本は『お色気』よ」 「お、お色気!?」 「おい柴崎!」 目を白黒させる笠原と声を上げる堂上を無視して柴崎は続けた 「『もやしもん』の女性キャラを見なさい。全編ヘソ出しボンテージとかゴスロリ服とかで体張ってるじゃない」 「ゴスロリの方は男じゃなかったかな」 とコレは小牧 「笠原、あんた1話から12話まで自分がお色気シーンやったっていう自覚ある」 「う、そ、それはぁ…」 「最初から教官にドロップキックだったしな」 とこれは手塚 「だってそれはそのぅ…」 「原作どおりだったら少しはあったんだけど、仕方ないよね」 と小牧 「あるかどうかはわからんが2期のためだ。やってみろ笠原」 「隊長、ちょっと待ってください!」 ここで堂上が止めに入る 「いくらなんでも視聴率=お色気ってのは乱暴すぎます!もっとほかに原因を究明すべきです」 「なんだ堂上、そんなに笠原のお色気は見たくないのか?」 ウッと詰まる堂上、若干目を泳がせつつも 「…人には適材適所ってもんがあります。笠原なんかにお色気やらせて視聴率が取れるとは思えません」 「あ、ひどーい教官!」 とむくれる笠原から微妙に目をそらし 「そもそもお前はやる気あるのか?」 と聞いた 「え、それは…あんまり…」 と口を尖らせる笠原に柴崎が耳打ちした (2期が無いと堂上教官と付き合えなくなるわよ。それでいいの?アニメ版の最終回で満足できる?) (う…) と言葉に詰まる 「私も付き合ってあげるから。一緒にお色気要員、がんばりましょ?」 「う…うんわかった、やってみる…」 数十分後 「どうです?ゴスロリ服って初めて着たんですよ」 先に出てきた柴崎の黒ゴス姿に男性陣から 「おぉ~」 という声が上がった 元がお人形さんな顔立ちなので、こういう服を着ると本当のお人形さんのように見える 「服のせいでちょっと体系が見えにくくなるのが難点ですね。お色気を取るにはちょっと力不足かな?」 「いやいや大したもんだ。娘がいたら持ってかえってやりたいくらいだ」 玄田が豪快に笑った 「よく似合ってるよ。ねぇ手塚…手塚?」 小牧が傍らにいた手塚に声をかけるが、柴崎に目を奪われているのか返答も無い 「なに、手塚。じっと見ちゃって」 柴崎にそばに寄られて、上目遣いで迫られる 「…え、あ、いや…いいんじゃないか?うん」 気を取り直したように言った 「なかなかのもんだな」 とこれは堂上 「これだけで十分お色気担当できるぞ、柴崎」 「あら、そんなこと言わないで笠原のも見てあげてくださいよ。けっこうがんばったんですよ?私もあの子も」 そう言って柴崎は事務室のドアを開けた 「早く出てらっしゃい。みんな待ってるわよ?」 「でも柴崎ぃ…この格好はちょっと…」 となにやら気弱な声 「大丈夫よぉ、よく似合ってるわよ」 「で、でもぉ…」 「おい笠原」 堂上が声をかけた 「誰も期待してないから、無理しなくていいんだぞ」 むぅ、という声が聞こえ 「い…行きます!」 と気合の入った声とともに、笠原が扉の影から姿を現した 彼女のファッションは上から下まで黒一色で固められたボンテージファッション 飾りのついた首輪みたいなチョーカー、ヘソどころか鳩尾まで丸見えなホルタートップは背中とささやかな胸の谷間がはっきり見える ヘソ下5センチのところで止まっているスカートの裾からは、これだけは誰が見ても美しいと思うであろう形のいい足が伸びている 「あ、あの、こういう服ってなんだか動きにくい…サンダルも踵が高くて歩きにくくて」 とまるで歯医者に連れてこられた子供のようにおずおずと皆の前に歩いてきた 「おぉ、悪くないんじゃないか?」 うんうんと玄田がうなずく 「思ったより似合ってるよ、笠原さん」 「なんだ、やればできるじゃないか」 と小牧と手塚 「ちょっと、胸張って…堂々としないと逆に恥ずかしいわよ」 「そんなこと言ってもさぁ…」 左手で胸を、右手を伸ばして足元を隠す笠原に柴崎が手を伸ばした 「ハイ、腰に手を当てて…背筋伸ばして…堂上教官、何か言ってやってくださいよ」 「あ…」 柴崎の言葉に思わず堂上のほうに目を向けた。 自分が高い靴をはいているからか、いつもより堂上の顔が低い位置にある (あれ?教官、なんでそんなにしかめっ面なの?) 堂上の顔はいつにもまして仏頂面だ 「あ、あの~教官、いや堂上二正?な、なにかまずいことでも…」 なにやら不安になり、笠原は堂上に近づいた 「…お、おい待て笠原、俺に近寄るな」 と逃げ腰になる堂上 「やっぱりダメですか?アタシにお色気は無理ですか?」 「い、いや、だから近づくな!」 椅子やら何やらを跳ね飛ばして逃げる堂上だが、場所が悪かったか壁際に追い込まれてしまう 「アタシ、2期のためにもがんばります!だからどこが悪いかはっきり言ってください!」 「その前に離れろ!いや、離れてくれ!」 悲鳴のような声を上げて堂上は目をそらした 「直視できないくらいひどいって言うんですか~!」 「違うっつってんだろ!」 なにやら言いにくそうに堂上は頭をかいた 「お前、今日の靴はかなり高いだろ?だからそのぅ…」 「?」 「目の前に胸がくるんだよ!」 そう言われて自分の胸の先が堂上の鼻先5センチくらいまで近づいてることに気がついた 「だからって普通、教官に右フックをお見舞いするか?」 「スミマセン…」 医務室のベッドに腰掛ける堂上に説教され、笠原は椅子の上で小さくなっている。 服はまだボンテージのままだ その様子を見てなにやらおかしくなる 「あのな笠原、本当に無理しなくていいんだぞ?」 ぽん、と頭に手を置いて堂上は言った 「無理してお色気要員になんかならなくていい、そもそも低視聴率だった理由がお色気だったとは思えん」 「そう…なんですか?」 「その前のノイタミナ枠で考えてみろ。ヒロインがコロポックルだったり汚部屋の住人だったりしただろ?それでもそれなりの視聴率だったんだから、お色気なんか出さなくても大丈夫だ」 「でも…」 ぐっ、と頭を撫でられる手の力が強くなった 「もし2期があるなら、もっと大変な目にあうんだぞ。お色気なんかよりそっちのほうを心配しろ」 大変なこと…いろいろ思い浮かんで笠原の顔は一気に赤くなった 「それとな…」 言いにくそうに堂上は顔を背けた 「その服、もう着替えろ。目のやり場に困る」 少し赤くなった教官の顔を見てうれしくなる笠原であった 完
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/118.html
2スレ目 697 「あっ!・・・・・・んんっ・・・・・・ふっ」 甘い喘ぎ声が、部屋に響きわたる 今年も年末年始の休館に向けて隊員達は、最低限の休暇を里帰りに充てる者が多い。 が、実家に帰らず、独身寮で年を越す隊員も中にはいる。 そして、ここにも。 「っ、………ん…ん」 吐き出される声を我慢しきらないのは、この部屋にいるのはあたし一人しか以内からだろう。 もう一人は既に、実家に帰っている。薄情者め。 いつもは二人で使う部屋。一人で使うとこの季節には、少し寒い。 「ぁ、・・・んんっ!・・・・・・はぁ」 けれども、今はもう火照った体にはむしろ、心地よさを感じる。 声、廊下にまで聞こえるかな。 でも、いまさら止まらない。 憧れの人への想い・・・。 やっぱり・・・心の底から―― 「はぁ・・・はぁ・・・どう・・・っ、じょう…きょうか・・・んんっ!!」 思わず名前を呼んでしまう。 カーテンを掛けたベットの上で大きく足を広げ、自分の左手で秘処を探る。 開いた手で乳首を虐める。母親がみたら嘆きそうな、あられもない格好だ。 しかし、もう自慰の快感に嵌ってしまい、そんな余裕さえもない。 今も、憧れの人を想いながら。 その手を、憧れの人の手と想いながら。 「やっ……あっ! ああっ! はぁっ、あぁぁっ!!」 ついに声をこらえきれなくなり、それがまた、自身への絶頂へを拍車にかける。 もう駄目。我慢できない。もっと・・・もっと!! 憧れの教官に―― 「あっ……やん、っあ、ふぅっ、ひゃぁっ・・・きょう……かん――――――――っ!!」 まるで電気が体に走ったかのように、ビクッ!と体が跳ね、 絶頂に酔いしれる。 「ぁぁ、あ、…あ、は、はぁ……はあ……」 ――やっぱり。 「堂上教官に搾られたかったな・・・。」 安達萌絵一士は・・・。 憧れの堂上郁を思いながらそんなことを思った。
https://w.atwiki.jp/arikawa/pages/34.html
1スレ目 200-205 その日、堂上は小牧と一緒に図書大学時代の同期の結婚式に出席していた。 二次会にもなると座もくだけ、酒が入っているせいか話も弾んだ。 「そういえば堂上、おまえ彼女が出来たんだって?」 同期の一人がそう話を切り出すと皆が一斉に堂上を見た。 学生時代から堅物で名を知られた堂上だけに、その彼女というだけで興味深々なのだろう。 「……別にいいだろ。俺が誰と付き合っても」 この場では誰よりも真相を知っている小牧は楽しそうに成り行きを見守っているようで、それがまた癪だった。 投げやりに突っぱね酒を一気に煽ったが、 「部下だって聞いたが、本当か?」 その一言で誤魔化すレベルなどとうに超えていて、更に先ほどの自分の言葉が照れ隠しであることまでバレてしまった。 同時に上がる周囲の呻く様な驚きとからかいの声の中、堂上は思わず噴き出してしまった酒を拭うのがやっとだった。 「まさかお前が職場恋愛とはなぁ」 感慨深げな言葉は意外だと言っているのと同じだ。 堂上とて当事者になるまで、そう思っていた。 ましてや上官が直属の部下と懇意の仲になるなんて、上官としての地位を利用しているように思われかねない。 とはいえ実際の相手はそんなもので左右されるような柔な性格ではなく、堂上の手の平で上手く動くような可愛い奴でもなかった。 むしろ、うっかりしていれば、こちらが足元をすくわれかねない ──何せ受け身も取れないような場所で上官相手に大外刈りを繰り出すような相手なのだから。 「職場恋愛ってことは特殊部隊内か?……ってことは、あの背の高いすらりとした子か」 何せ相手は図書特殊部隊で初めての女性隊員で、立場や場所は違えど同じ図書隊に属する者ばかりだから知っている者ばかりだ。 皆口々に、幾つ年下なんだ?五歳も下なのかよ、この果報者、などと言い放題である。 確かに外見だけならば羨ましがられても仕方がないのかもしれない。 それは内面を知れば、あっさりと覆えされてしまう程度のものでしかないが 「堂上は背の高い女でも平気なんだな」 一人が何気ない態でそう呟き、世間から見ればやはりそういうものなのかと堂上は理解した。 背の高さを気にするような歳はとうに過ぎていたし、一般的に見て自分がチビであることは分かっている。 それに付き合うのに背丈なんてどうでもいいことじゃないのか、というのが堂上の本音だ。 そもそも遊び本意で付き合っているのではないし、普段は男まさりで無鉄砲ばかりするあいつが自分のこと特に女性を意識すると周囲が驚くほど弱気になる、そんなギャップも含めて自分は好きなのだ。 ──決してあいつの前では言わないが。 とはいえ"彼女は自分より背の低い女がいい"という価値観が根強いことも知っていたし、それがお互い様で"彼氏は自分より背が高くないと嫌"というのもよく聞く話だったので、今更不快に思うようなことはなかった。 あえて相手が背が高くて不便といえば、踵の高い靴を履かれると頭を撫でる時に苦労するぐらいか。 ふと先日そんなやり取りをしたことを思い出していると、 「……大丈夫なのか?堂上」 既に別の話で盛り上がった頃になってから小声でそう訊かれ、堂上は思わず怪訝な顔をしてしまった。 「相手の女の子だよ。女は男が思っているより背丈を気にするもんだろ。背が高いんなら尚更気にしてるんじゃないのか?そこんところ、ちゃんとフォローしてるのか、お前?」 お節介すぎる心配に堂上は露骨に顔を顰めたが、彼が同期の中で一番最初に世帯を持ち既に子供がいることを思い出した。 その口調からはやっかみやからかいは伺えなかったし、純粋に堂上達の仲を心配しているようだった。 そこまで仲を心配されるほど自分は不器用に思われているのかと思うと面白くなかったが 「あいつはそんなことを気にするようなやつじゃない」 と反論しようとした。 だが、そこでようやく思い出した。 そういえば、あいつにそんなことを訊いたことが一度でもあったか? 俺は気にしないが、あいつがどう思っているのかなんて──。 堂上はその問い掛けに答えられないことを今になって気付いた。 寮に戻った頃には消灯時間は過ぎていて、中は既に真っ暗だった。 自販機で飲み物でも買って帰ろうと堂上は玄関ロビーで小牧と別れた。 ネクタイを少しだけ緩めつつ共有区間までやって来ると、反対側からこらちにやってくる人影に気付いた。 「堂上教官……?」 気付く前に名を呼ばれ、相手が郁であることを知った。 嬉しそうに駆け寄ってきたものの、近寄ると露骨に顔を顰めた。 「うわっ、お酒臭っ!」 「仕方ないだろ、結婚式だったんだ」 そこでようやく郁は堂上が珍しくスーツ姿であることに気付いたようだ。 「あ、今日だったんですか。小牧教官と一緒に行くって言ってた結婚式って」 お祝いの席ですもんね、と郁も納得したようで、うんうんと頷いている。 「どうしたんだ、こんな時間に。消灯時間はとっくに過ぎてるぞ」 「喉が渇いたんで何か飲もうかなと思ってきたんです」 教官も?と訊かれ、堂上は素直にああと頷いた。 先に買うように促し、堂上は郁の後姿をぼんやり見ていた。 当たり前なのだが、自分より背の高い郁の姿に漠然と不安を覚えてしまった。 それは上官としてではなく、一人の男としてだ。 自分は郁の目にどう映っているのだろう。 自分が背の低いことで郁が嫌な思いをしていないだろうか。 それでなくとも郁は自分が背の高いことを気にしているのは堂上の目から見ても明らかで、背の低い自分といれば尚のこと気にしてしまわないだろうか。 ──どうしてそんなことに今まで気づかなかったのだろう。 「…………お前は本当に俺でいいのか?」 思わず口にしてしまった言葉に郁は驚いた様子で振り向いた。 まっすぐに見下ろされる視線がこれほど居心地の悪いものだとは思わなかった。 「教官、それってどういう……」 「だから、俺みたいな奴でお前は本当にいいのかって言ってるんだ。お前、俺みたいに背の低い男と一緒にいて辛い思いをしているんじゃないのか?」 本当に辛い思いをしているならば郁が打ち明けてくれることは分かっていたが、負けん気の強い郁は余程のことがない限りそれを言い出すこともないのも知っている。 それが信頼の証であることも承知しているし、堂上の問い掛けが逆に郁の心を乱してしまうかもしれないことも分かっていた。 それでも、言わずにはいられなかったのだ。この漠然とした不安を振り払う方法を他に見つけられなかった。 息が詰まるような静寂の後に、 「堂上教官は……気にしないって言ってくれたじゃありませんか。あたしが背が高くても、全然女らしくなくても気にしないって」 ああ、と堂上は頷いた。 俺は気にしないと言葉を続けると、 「あたしだって一緒ですっ!そんなことで教官を嫌いになったりしません!そんな風に思ってたなんて……酷いです」 しゃくりあげるように泣き出してしまった郁に堂上はすまなそうに腕を掴むと自分に引き寄せた。 郁はその瞬間は驚いたように身をすくませたが、すぐに止め、いつものように腰を少しだけ屈めると堂上の肩に顔を乗せた。 じんわりと肩に暖かいものが伝わり、微かにだが嗚咽を聞こえてきた。 「……すまん。泣かせるつもりじゃなかった」 宥めるように背中をさすってやると、郁は頷く動作をしてくれた。 「お前も俺と同じ気持ちでいてくれたんだな……」 「当たり前じゃないですか」 「そう言ってくれるな。男はお前が思ってるより繊細な生き物なんだ」 それがあまりにも堂上とは不釣合いな言葉に思えたのか、郁は声を殺して笑っているようだった。 そういう反応が女は無神経だと言われる所以だと堂上は思ったが、ここでまた言い争いなんてことは避けたいので黙って忘れることにした。 落ち着きを取り戻した郁が顔を放そうとするのが分かり、堂上は腰を引きつけると強引に郁の顎を下に向けた。 郁も何をされるのか分かったらしく顔を真っ赤にしてしまったが、嫌がる素振りは見せなかった。 それを了承と捉え、堂上はやんわりと口付けた。 二度三度啄むように口付けると、郁は苦しいのかくぐもった声を漏らした。 その甘い吐息が酔った身体にかなりの毒であることは、してから気付いた。 ここが寮でなかったら──などと不埒な感情を抱きつつも、ゆっくりと唇を離した。 とはいえ物足りなかったのも事実なので最後に下唇を甘噛みしてから放すと、郁は潤んだ瞳をそのままに見下ろしてきた。 すぐにマズイことをしたことは分かった。 誰もいない場所で、素面とは言い難い自分に、その顔は危険すぎる。 当の本人が分かっていないだけに、その無防備さが拍車をかける。 この状態で郁に触れるのは自殺行為と同じだということは分かっていた。 酒のせいなのか、それとも別の何かなのか── 気付けば堂上の手は郁の腕を触れていた。 さあっと鮮やかに朱色に染まった郁の表情に、堂上はあっさりと負けを認めた。 真っ暗な会議室に転がり込み鍵を閉めると微かに残っていた理性は綺麗さっぱりふっ飛んだ。 ソファに腰を下ろし膝の上に郁を座らせると、堂上は何度も口付けを求めた。 先ほどのように可愛いものではなく、口内を深く押し入ってすみずみまで舌先で舐った。 当然のように経験の少ない郁はそれを受け止めきれずに苦しそうに顔を歪ませる。 それでも耐えられないと強引に顔をそむけると、つうっと銀の糸が口元を伝っていた。 うっすらと朱色に染まりつつある肌にその姿はかなりそそられた。 首筋に唇を落とし、見えない場所を選んで鬱血の跡を散らした。 同時に背中に回していた手をうなじまで這うように撫で上げると、郁の身体は大きく震えた。 「やっ、やあっ、教官……んっ、あっ、あっ、」 「そう大きな声を出すな。誰かに聞こえる」 「そ、そんなの無理に決まってるじゃありませんかっ!分かってるなら手加減して下さい!!」 思わず噛み付くように大きな声を出してしまい、郁はあっと口を噤んだ。 きっと今の自分は酷く意地の悪い顔をしているのだろう、郁は不満そうにこちらを睨みつけている。 だが、こんな状態でそんな顔をされても逆効果もいいところだ。 それでなくともこうやって肌を合わせるのは久しぶりなのだから。 小牧からは気にせずに外出届を出せばいいじゃないと言われることもあるが、それありきで外出するというのはやはり後ろ暗いし、その手にからきし弱い郁が自ら求めるなんてことはなく、相手がそれで満足しているかもしれないというのに自分だけ欲するというのも気が咎めた。 堂上は待てないとばかりに郁の胸元を肌蹴させ、色気のないスポーツブラをたくし上げると、ささやかな胸の膨らみに口に含んだ。 舌で押し返すように突起を突付き、十分に堅くなったと確認してから歯でこりりと噛むと郁は堪らず堂上に抱きついてきた。 「ちょっ、堂上教官!人の話を聞いてっ……やっ、」 まだ言い返せるだけの余裕が郁にはあるようだ。 ──そういえば喉が渇いたままだったなと堂上は今更ながら気付き、郁をテーブルに寝かせてしまった。 いきなり寝かせられた郁は不安からか堂上の名を呼んだが、それは無視した。 どうせ自分がしたいことを説明すれば郁が頑なに嫌がるのは目に見えている。 ならば考える余裕を与えない方がいい。 堂上は無言のまま郁の脚を持ち上げると、穿いていたパジャマのズボンと下着を一気に脱がした。 「なっ、何して──!やっ、教官、そ、それ、だめっ!!」 郁は慌てるように身を起こしたが、それより先に堂上は濡れた秘部に舌を這わせた。 充血して鮮やかな色合いの花芯は愛液が滴り落ちており、それを堂上は零さないように舐め取る。 枯れることのない泉はしとしとと溢れ出し、すぐに口元は愛液で汚れてしまった。 身体はこんなにも素直だというのに、それでも郁は羞恥からか止めて欲しいと懇願し続ける。 ならばと浅い恥毛の中から花芽を探し出し指の腹でそっと押しつぶしてやった。 その愛撫に郁は大きく身体を跳ね上げ、きゅっと両足で堂上を押さえ込んだ。 その内腿の感触がまた堪らないのだと言ったら、郁はどう反応するだろうか。 ここまでくれば、どんな些細な反応でさえ、こちらを煽るものでしかないということに鈍感な郁も気付くだろうか。 どちらにしても、そうやって郁を必要以上に追い込みたくなるは冷静でいられなくなった証拠だ。 十分に指で肉洞を解してから、堂上は鞄の中から避妊具を取り出した。 郁も堂上が離れたことに気付いたのか、その姿を探すように視線を彷徨わせる。 すぐに何をしているのか気付くと思わず視線を逸らしてしまったが、最後まで拒絶の言葉は出てこなかった。 堂上は再度、郁に覆い被さると、汗で額に張り付いた前髪をはらい、頭を撫でた。 すると郁はまるで子猫が喜ぶように目を細め、身体を預けてきてくれた。 「……堂上教官」 郁は見下ろす堂上の名をはにかむように頬を赤らめつつ呼ぶと、両手を伸ばし堂上の首の後ろで組んだ。 そのあまりに幸せそうな表情に、堂上の顔も釣られるように緩む。 「いい子だ」 耳元をくすぐるように囁くと郁はそれだけで感じてしまうのか息を詰まらせた。 その初々しい反応がまた堪らなく愛しくて、いきり勃った自身を綻んだ花芯に宛がう。 久しぶりの郁の中は堂上を歓迎するかのようにねっとりと締め上げてきた。 根元まで差し込むと吸い付くような密着感に思わず声を上げてしまいそうになる。 堂上は郁の脚をめいっぱいに広げさせ、腹を押し上げるように腰を擦り付けた。 郁は小さく声を漏らし身体をくねらせる。 すると堂上を受け入れている肉洞は捩れるように今までは違う締め付けを施してきた。 郁の身体は恐ろしく敏感で、貪欲だった。 何も知らなかったはずだというのに、今ではこうも簡単に堂上を追い込もうとする。 このままでいれば果ててしまうのも時間の問題で、堂上は郁の背中に手を回すと一気に抱き起こし、そのまま後ろにあるソファに身体を沈めた。 見上げるといきなり中断したせいなのか、郁は潤んだ瞳のまま堂上を睨んでいる。 「……そう拗ねるな。もう少し、こうしていたいんだ」 見下ろす郁の口元に口付け離れ間際にそう告げると、郁は思ってもみなかった言葉を言われたようで顔を真っ赤にさせ、視線を逸らしてしまった。 今更照れることもないだろうにと堂上は小さく笑うと、郁の腰を掴み、ゆっくりと身体を揺らしてやる。 郁は 「やっ」 と小さく声を漏らしたが、じわじわと与えられる快楽に負けたのか、諦めたように堂上の肩を手を置き、身体を支えることに集中し始めた。 直接的に得られる快楽もいいが、こうやってゆっくりと溜まっていく快楽もこれはこれでいいもので堂上は荒くなった呼吸と整えるように、じっくりと郁の身体を貪った。 だが郁の方はそれでは物足りないのか、じれったそうに身を捩じらせたり、無意識なのだろうが自ら身体を揺すり始めた。 そのタイミングを見計らうように堂上は何度も下から貫いてやる。 郁はその衝動から堪らず堂上にしがみ付き、耳元で言葉にならない声を漏らし続けた。 「やっ、ああっ!教官っ、もう、あたしっ……!」 ざわざわと自身を締め付ける感覚は郁が達する間際なのだと堂上に教えてくれた。 縋るように抱きつく郁をしっかりと受け止め、堂上は劣情のままに郁を押し上げるように腰を打ちつけた。 達した瞬間、郁の脚はぴんと伸び、肉洞を埋めつくす堂上のものを食い締めた。 堂上もまた腰の付け根に溜まった衝動をその場で吐き出した。 出し尽くすように腰を振るうと、郁は顔を堂上の肩に押し付けたまま、がくがくと身体を震わせていた。 徐々に吐き出したもので粘つく自身に、このままでいたらゴムを付けた意味がなくなると自分を納得させ堂上は郁を支えるように抱き起こすと何度かキスをしてから、ゆっくりと離れた。 「……あたし、教官とキスするの好きですよ」 「何だ、いきなり」 別れ際、郁は唐突に話し始めた。 そんなことを面と向って言われてもどんな顔をすればいいというのだ、結局、堂上は仏頂面を決め込むしかなかった。 だがそれも郁は気付いているのか、照れくさそうに笑うと、 「キスすると下に引っ張られる感じがして、それが好きなんです」 言いたいことだけ言い終えると郁は 「おやすみなさい」 と頭を下げ、パタパタと廊下を走っていった。 言われた堂上といえば、ぽかんと間抜け面で去っていった郁の背中を見つめていた。 無意識に郁の言葉を反芻すると、徐々に顔が熱を帯びていくのが分かってしまった。 「あのバカ……」 そんな可愛い台詞を捨て台詞みたいに言ってくれるな。 このまま大人しく眠れるほど俺は枯れていないんだぞ。 それにな、俺だけを俯き見るお前を下から眺められるのは背の低い俺の特権のようなもので、それもなかなか悪くないものだと教えてくれたのは他でもない── くそっ、そんな恥かしい台詞、面と向ってあいつになんて言えるはずないだろうが! 無意識に痒い台詞を呟いてしまいそうになった自分は、もしかしなくても郁に感化されているに違いなくて、堂上は頭を抱えた。